秋山脳神経外科病院

脳血管内治療

『頭を切らずに直す治療』
 脳血管内治療とは、足の付け根から超極細のカテーテルを頭蓋内血管まで挿入し、レントゲン透視下に血管内部から脳血管障害(脳梗塞、脳動脈瘤、脳動静脈奇形など)や脳腫瘍などを治療する新しい治療法です。当院では、従来の開頭術とこの脳血管内治療から最善と考えられる治療法を選択して治療にあたっています。
⑴脳動脈瘤の治療 『脳動脈瘤コイル塞栓術』
 脳動脈瘤に対する血管内治療は90年代に急速に発展しました。血管の中からマイクロカテーテルを動脈瘤内に挿入します。マイクロカテーテルからプラチナ製の柔軟なコイルを放射線透視下に挿入して行きます。コイルが動脈瘤内で適正な位置に留置されるまで何度でも出し入れすることが可能です。動脈瘤内の適正な位置に留置されたら電気的に通電することでコイルを離脱させます。コイルで動脈瘤内を充填することで、動脈瘤内の血が固まり、破裂、出血を予防します。
⑵脳梗塞超急性期の治療 『経皮的脳血栓回収療法、血管形成術、局所線溶療法』
 2014年7月より経皮的脳血栓回収装置ステントリトリーバーが保険償還され、本邦の脳梗塞超急性期の治療に使用可能となりました。発症から6時間以内の太い脳動脈の閉塞による重症脳梗塞の治療に効果があります。その他、血栓吸引療法(ペナンブラシステム)、風船(バルーン)や金属の筒(ステント)で詰まりかけた血管を広げる方法(血管形成術)、血栓を溶かす治療(局所線溶療法)が可能です。
⑶脳梗塞予防のための治療 『頸動脈ステント留置術』
 頸動脈が狭くなる(狭窄がある)と脳梗塞をおこしやすくなります。非常に狭くなっている(高度狭窄がある)場合は脳梗塞を予防するために頸動脈内にステントを留置して血管を拡げる治療を行います。脳梗塞の症状があって、狭窄率が50%を越える場合、無症状でも狭窄率が80%を越える場合に治療適応となります。